Saltbox

オット君は米国人。私は在米トータルで14年くらい。長男ボビーは重度自閉症児。次男マイキーは今時の小学生。保護猫のシェルどん。これが私の家族。米国東海岸郊外の普通の家族。アメリカのコメディと思って楽しんでね!

2019年05月

子育ての中でよく言われますよね。

子供の成長は一人ひとり違うんだから~。
比較しても仕方が無いよ~。

いやするわ!

しないでどうやって目標立てたり、問題点見つけたりするのさ!

そりゃ成長に個人差もあるし、個性もあるのはわかるけどね。特に発達が気になる子だったら、そりゃ比較するでしょが。

というわけで、皆さんもちょっと気になるでしょ?
大きくなって、結構大変で、寮にまで入る事になったボビーが小さい時どんなだったか。

今日はその話です。2歳の頃ね。
実はそれほど自閉症っぽくなかったんです。いや症状は典型的ですけれどね。全く目を合わせない子でも無かったし、何かに特別に過敏だとか、かんしゃくを頻繁に起こすとか、すぐ泣くとかそういうのでも無かったし、人を叩いたりとかそういう攻撃性も無い。


当時気になったのは、他の子に興味無かったり、普通の幼児が遊ぶようなおもちゃや絵本や番組にほとんど興味を示さなかったり、人が集まっているところから逃げ出したり、そういうところでした。

今でも基本このままです。だいぶ自制ができるようにはなってはきましたけれど。

ただ、赤ちゃんや幼児の泣き声は相当嫌いですね。
発達障害で苦手な人にとってかなりの「不快音」らしいですね。もちろん赤ちゃんの泣き声って、普通の大人でも辛いじゃないですか?そういうレベルじゃないらしいです。

なので、乳児のいる環境でそれが大変でした。
Saltbox_0021_5

これで療育とか、もう難易度高すぎで。
だから「子育て広場」に毎日のように通っていたんです。私が赤ちゃんがいるグループのところにいる間に、保育士さんがボビーを相手してくれたんです。

やっぱり、こういう子だから、できるだけ人とのやり取りを増やしてあげないといけないと思って。

我ながらよく考えた!あれは効果あったと思うよ!
ありがとう保育士さんたち!

言語能力に関しては、物の名前は案外知っているようでしたが、指差しをして「わんわん!」とか言う子では無く、どの程度理解しているのか、よくわかりませんでした。

次男は普通の発達をしたので、全く違う状態だったと後で振り返ってわかりました。指さしは全く無し、要求するときはほぼ全てクレーン現象。逆さバイバイはずっとなおらず。

しかし「
ややき」「りらっぱり」のような、喃語とはまた違う、ハッキリした表現がありました。
英語では、「neologism」「idiosyncratic language」とか呼ばれるらしく、自閉症や知的障がいのある人に見られる現象のようですが、あまり情報が無くて。(詳しい方教えてください。)

今でも、ゴニョゴニョ何か言っていてもよくわからないことがよくあるんです。日本語でも英語でもないものかもしれない…。(ちなみに日本語はほとんど喋れないです。)

次男マイキーの後追いが始まると、家でボビーを見るのがますます困難になりました。
Saltbox_0021_6
昨日の泣きながら保育園に申し込みをしたという話は、この頃の事です。(その記事はココ

もうマイキーが近づくだけで逃げるんですよ。
これも今でも同じです。
小学校1年生くらいまで、マイキーはボビーに
「ベイビー」呼ばれ、恐れられていました。笑

だからホームABAセラピーも困難だったんです。

そんでスタコラ逃げて何やってんのかというと、
よく布団に挟まっていました。
Saltbox_0021_7
座布団の下で寝てたり。

それで更に不思議なのは、2歳台で「あいうえお」「アルファベット(大文字、小文字)」「1~100」まで読めてました。

おかしくない?

こんな子なのに。

よく子供向けの表があるでしょ?あんなのとか、本についている表とかね。私の手をクレーンで持って指ささせるの。だから読んであげていたら、もう何回も何回もやらされてね。全部覚えた。

これも自閉症の典型症状と言えばそうなんだけれど、ハッキリ発音して、文字と言葉が一致しているわけじゃない?

今もあまり喋らないけれど、例えばフラッシュカードで見せると、小学校1年生程度あるんじゃないか?って語彙力ある。知能テストすると0歳になるけど。笑

だから、ボビーの知能や知識が、埋もれてしまって出てこないだけじゃないか説が、今でも拭えないのよね。

発達障害で無くてもさ。言葉がちょっと遅い子が、溜め込んで溜め込んで後で溢れ出したかのように出てきた!なんての聞きません?

あれのものすごいバージョンの気もしないでもない。

今は、本当に能力を引き出すために、様々な表現力を増やすために、トレーニングしてくれる学校にいるので、少し期待しています。

でもね。
ミラクルは無いって思ってる。

ボビーが2歳の頃の話、参考になりましたでしょうか?
お気軽にコメントくださいね。


ランキング参加してます!
にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ 


今日はネットで調べて、2012年に児童福祉法の改正があり、それ以来、未就学児の発達支援が少し改善されたのを知りました。

しかし私がいた当時は2010年…。

Saltbox_0007_5
泣きながら言った保健所で紹介されたのは、
「児童デイサービス」
というところでした。場所を聞くと、家から徒歩でいける距離ではありませんでした。
そうなんです。東京って言っても、郊外は案外不便ですからね。「そうなるとママチャリか…。」と思いましたが、ハイハイ始まった0歳児を背負い、全然安定感の無い自閉症児を乗せて、果たして20分も行けるのか?
雨や雪もあるだろうし…ちょっと無茶あるよな…。

そこでスケジュールを聞くと、午前だけ、実質2時間程度のサービスと。確か「発達障害」に特化したものではなかったです。悪くは無さそうだけれど2時間のためにこれはきつすぎる。家に帰ってる暇がないよね…0歳児にも過酷だろう。

そこで他に方法が無いか聞くと、提案されました。
Saltbox_0021_3
実は、保育園には「障がい児枠」があるんですよ、と。
ボビー君の場合は、「加配」がつけられる可能性が高いです、と。

え?保育園…入れる可能性あるんですか!?
考えてもみませんでした!


そりゃそうです。
待機児童数がかなり多かった年です。今も多いとは思いますが、施設数が今よりずっと少ないうえに、私は団塊ジュニアですからね。
ここでもまた人口ピークで絶望的でした。


もう私たちいっつもこれよね!笑

頭の中には様々な事が渦巻いていました。
Saltbox_0021_4
でも、ボビーの要素が大きすぎて、何も手を付けられず…目の前の事をこなすのに精一杯で、将来は考えられませんでした。

子育て広場では、みんな幼稚園や保育園の話題で持ちきり。
Saltbox_0021_2

自分たちはどうなるんだろう…こんなんじゃ幼稚園はたぶん入学できないし…保育園はどこも一杯だし…。
このままどこにも行けないのかな…そう思っていました。

そこに飛び込んできた「障がい児枠」情報!

ダメ元で4か所に申し込みました。
これが2010年の終わりの方だったと思います。


ランキング参加してます!
にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ 
つづく



しばらくABAの説明の方で脱線していましたが、東京療育の話に戻ります。
そう当時の私たちはまだ「ボビーは普通に喋るようになる」設定でした。これを「受容ができていないから」と捉える事もできますが、「本当にそうなると思っていたから」とも言えます。

これは発達障害の子を持つ親の特有の悩みです。

とにかくどうなるかわからない。
そして、私たちは米国の情報を元に、

「今すぐABAをやらねば!」

という焦りがありました。これは間違ってはいないんです。一般的に療育は早期の方がいいですからね。Saltbox_0013_8
しかしあてはありませんでした。
今はこの9年前の状況と較べると、だいぶ良くなりましたね!皆さん恵まれていますよ!

私たちは焦り始めました。
とりあえず私は、ABAの本やネットで基本的なアプローチの仕方を学び、行動や発語を促すように心掛けていました。クレーン現象がある子だったので(今もまだたまにある。笑)、わざと高いところに欲しいもの(基本おやつ)を置いて、手を引っ張るだけじゃ貰えないようにしたりしていました。

その際に、PECS(Picture Exchange Communication System)の絵カードをネットで検索してプリントしたり、
Saltbox_0013_7

自分で絵を描いたりして、言葉と絵が一致するように努力はしていました。音声は発する事ができる子でしたが、意味がある使い方ができませんでしたので、絵カードを渡せるようにしようとしたんです。


しかし、なかなかうまくいきませんでした。11歳になった今でもそうなんですが、手に何かを持つことを好まない子なんですよね。特にカードやパズルは苦手で、すぐにポイっと投げてしまう傾向があるんです。

これは本格的にこっちの病院で後に検査をしているのでそのうち別で将来書きます。(9年間にもう書く事あり過ぎで。w)

なので当時も私が手に持って見せる感じでしたかね。一応、日本語と英語と両方でやっていました。

当時は全然進展が見られなくて、「私は何をやっているんだろう?」状態でしたが地道にやってました。私にちゃんと意思を見せないと、簡単に要求を通さないようにはしていました。何らかの形で意思を知らせたら、要求を通す。その際には絵カードを使ったり、私が単語を言う。「ごはん」とか。ABAって言ってもそのくらいの感じだったかな。だって他にどうしようもないんだもん。

その時はほとんど出なかった言語ですが、なんとこっちに来てから出てきました。「たべる」とか「ごはん」とか、日本語が。日本語を使わない環境で!
という事は、学んだ言葉が出てくるまでに相当時間差があるってことよね。


だから言ったでしょ~。
気長にやらないといけないのよ!
(その記事はここ

こっちの先生に「日本語の質問が時々出てくる」って言われてた時、「たべる~?」と私の口調で言ったのを聞いて笑いました。音声模倣が出てくるまでに3年かかった!この子、ホントこういうの多いの。出てくるまでに年単位かかるの。言語だけじゃなくて行動も。

今だから笑い話ですが、当時の私はまた泣きながら、保健所の看護師に相談に行きました。

Saltbox_0007_5
どうしたらいいんすか?と。

区の発達障害センターでのこと、子育て広場は幼稚園選びで盛り上がっている中、自分はもうそれどころじゃ無い事、オット君はサラリーマンで時間が無いうえに、日本語できなくて、システムもよく解ってない事、次男がまだ赤ちゃんで、私自身も身動きが取れない事、そして同じような状態のお母さんは民間療育を考えている事、一通り説明しました。

それはもう、何をどっから手をつけて良いのやらで、盛沢山でしたが、保健師さんはある提案をしてくれました。

次回に続く!


ランキング参加してます!
にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ 


あのね。変な例えですが、
発達障害療育って、ハゲ治療みたいなもんなんですよ!
もう世の中の「療育」の9割方はうさんくさい!
「完治する」とか言っちゃう奴は100%ウソ。
「科学的根拠あります」も良く見ると「※自社調べ」

ダイエット広告と同じ!

でもね。よく考えてみんな!
ハゲでもいいじゃん!デブでもいいじゃん!
何がいけないのよ!

発達障害でもいいじゃん!

みなさん、少し気楽になりましたでしょうか?

「療育」どのくらいやればいいのかって悩みますけれど、心構えとしてはそのくらいでいいです。

さて。具体的な話を致しましょう。資料が英語になりますが、私の理解の限りで日本語で解りやすく説明致します。

まずですね。ABA(AGAではありませんw)、つまり応用行動分析学を語るときに、いつも出てくる人がいます。UCLAのロバース博士という人です。そして彼が1987年に書いた有名な論文、

Behavioral Treatment and Normal Educational and Intellectual Functioning in Young Autistic Children 

というのがあります。ネットを探せば見つかると思いますが、ここにはリンクはつけません。

2~3歳のうちにABAを週40時間やった19人のうち9人が小学校に上がる時に、知能指数が正常の域になったが、10時間以下、そしてやらなかったグループの40名は1人しかそうはならなかったという主張のやつです。

この論文、読めばわかるのですが、ボビーみたいな重い知的障がいの子はまず最初から除外しています。

これはこの手の論文でいつも起こります。
重度の子は効果があろうが無かろうが、答えないからな!笑

めんどっち―から、外されんのよ!
それか意図的!

つるっパゲに育毛剤つけても効果はたかが知れているからって、「※自社調べ」から除外されるようなもん!

マジ、ふざけんな!

そもそも、2~3歳の時点で自閉症を診断するのは非常に難しいですよねえ。ボビーでさえ、ハッキリとはわからなかったのに。

「2~3歳の時にあまり喋れなかったのに、小学校に上がる頃には普通になった」系の話は、別に自閉症やABA関係なくたくさんある話です。その頃の子は普通に脳の発達にバラツキがあるからです。

そういう子を選んだんじゃないの~?って疑うよね?

しかもこの研究では対象の子をランダムに抽出できていません。というのも、当時はまだABAセラピストが全国どこにでもいる状態ではありませんから、UCLAの大学院生が療育を行っています。なので大学から1時間範囲の子だけが週40時間ABAの対象になっています。UCLAがある場所は富裕層エリアなので、あまり一般的でない環境の子が選ばれているんじゃないかという疑いがあります。こういうとこの子って公立学校いかんだろ。

比較の仕方も、一般的な知能検査ができる場合もあれば、そういう検査が困難で親のインタビューを元にして算出しているのもあるようです。親は当然、ABAセラピーを何時間受けたか知っています。つまり正確な数値ではないでしょう。

それから評価基準も曖昧です。昔のABA関係者が言う「改善」というのは「普通の人っぽく動けるかどうか」みたいなところがあります。

そしてそもそも、ABA開発者が書いた「ABAは効果がある!」という手前みそ論文です。

素人の私がザっと読んでも、ツッコミどころ満載です。

まあ普通に考えて、1987年に大学院生、つまり経験浅いABAセラピストがさ。まだABAのノウハウがそれほど発達していない時に、この成果を出していたとしたら、才能ありすぎ。

そしてそれからだいぶ発展した今は、この数字より、もっと凄いはずだよねえ!ああ?

もちろんもうこの論文に関しては、多くの科学者が正確では無さそうだよね、と言っているようです。比較対象のスタートラインが偏ってたんじゃないのって。

そんで、こういった幼児期の週40時間以上の集中的な療育が本当に効果あるのかという検証を、2010年に米国のメジャーな保険会社が何社か共同でやりました。ABAとその他のセラピーの効果の大々的な比較検証をした結果、

“Overall, the quality and consistency of results of this body of evidence are weak.”
「全体的に見て、この一連の証拠の結果の質と一貫性は弱い。」と結論づけたそうです。

上記の内容は、The Seattle Timesの記事に解りやすく書かれています。
Autism’s $100,000 question

でもこれは「早期集中療育」の効果の話です。
ガッカリしないでください!

実際にどのくらいの時間やったらいいんだろう?と悩む家庭は多いと思います。高い療育ですからね。

私は皆さんのためにいいのを探してきましたよ!

これ!

US National Library of Medicine 
National Institutes of Health

PMCID: PMC5639250
PMID: 28925999

An evaluation of the effects of intensity and duration on outcomes across treatment domains for children with autism spectrum disorder

「自閉症スペクトラム障害の小児の異なる治療領域での効果に対する頻度と期間の影響の評価」みたいな感じでしょうか?

書いたのは、Center for Autism and Related DisordersというABAの発達障害セラピーサービスの会社とCollege of Science and Technology, Chapman Universityの研究室のようです。

まあまあ、これも「※自社調べ」ではありますが、面白いのは、異なる頻度、期間で療育を受けた子供たちが、どの程度のスキルの習得ができたのかっていうのを、1468人の18カ月から12歳までのABA療育を受けている子を対象に調査し、ドカーンと全部をグラフにプロットしてみた!ってところ。

ABAの効果の実証ってよりも、どんなスキルに「頻度」「期間」がどう影響したかってのが面白いんです。

英語が読めなくても、スキル別グラフがあるので見るとわかりますが、全体的に療育の「頻度」「期間」とも得られるスキルと相関性が見られます。
これはABAの有効性が見られると言えますよね。
しかしながら「期間」の影響の方が「頻度」よりも大きいようです。

さらに面白いのは、
academic(学習)
adaptive (順応)
cognitive(認知)
executive function(実行機能)
language (言語)
motor(作業)
play(遊び)
social(社会性)

という分野の中で、特に長い期間やった方が効果が高いという結果がハッキリ出たのは、「学習」と「言語」のようです。その次が「社会性」「認知」。

このグラフは色んな見方ができると思いますので、興味ある方はご覧ください。

というわけで、難しい話になってしまいましたが、簡単に言うとこういう事。

頻度よりも、継続することが大事!

それでね。
頻度の方ですが、優先順位をこう考えてください。

Saltbox_0021_1
きょうだい児は、大人しく何も言わなかったりしますが、色々と我慢する事が多いです。寂しい思いをしています。

なので、まずはきょうだい児にちゃんと学習機会を与え、親が構ってやり、遊びも気にかけてあげてください。障がい児本人とは別で。

うちもこれは不足していました。
今、挽回しているところです。


それから夫婦!ここが崩壊したら大変ですからね。
これも時々危うくなりますが(笑)、どうにか頑張って回復する時間を作っています。
シングルの場合も、自分の回復時間を作ってください。

療育時間は、それを確保した残りでいいです!

というのも「継続は力なり」でしょ?
サステイナビリティ―(持続可能性)は大事って言うでしょ?

薄毛治療も、ダイエットもさ。
無理したら失敗するよね。


継続が大事!
そういう話でした!

昨日の記事では、私の表現と偏見のために、一部の方に不快な思いをさせてしまいました。改めてお詫び申し上げます。

そこでですね。折角ですから実際にABAセラピストが毎日家に来るような生活ってどんななのか、そしてセラピストはどんな人たちなのかって話をしてみようと思います。

私たちはどうしてもお互いに偏見があります。それは仕方が無い事です。私は米国生活が長いですが、日本出身ですし、チンチクリンですし、職業も女性が少ないところで働いてきていますから、それはそれは様々な偏見を受けて暮らしてきました。もちろん今もです。ただ今は、そいういうのも含めて面白がって暮らしています。

アメリカのコメディとか、そういうネタが多いでしょう?あんな感じ。

若い時の私は理解できませんでした。今は敢えてこうやって、ダメダメ人間が正直に語っていくからこそ、誤解が解けるんじゃないかとも思っています。

どうぞ遠慮なくご意見ください。ありがたい事です。

で、まずはどうしてABAセラピストとして家に来る方は、若手の方が多いのかという話です。

米国のABAセラピスト派遣サービスを運営しているのは、大学院の学歴と経験年数を必要とするBCBA資格保有者です。BCBAとは協会認定行動分析士の事です。医療と学校の資料を元に、保険会社の許可を得て、顧客と契約を結びます。その後、BCBA保有のスーパーバイザーが派遣されます。療育の計画は、彼らによって作られます。

BCBAは、スーパーバイザーとして週1回指導には来ますが、家庭に派遣されてくるセラピストの多くはRBT(登録行動テクニシャン)と呼ばれる方です。こちらの方は大学でその勉強をしていなくてもなれます。日本でもこの資格を取得できる環境ができているようですね。素晴らしいです!

このRBTになる壁はBCBAと較べると、それほど高くはありません。RBTももちろん専門的なトレーニングを受けて経験も積んでいる方もたくさんですが、まあまあバラツキはあります。

彼らは指導計画を自分たちで立てる事はできないので、スーパーバイザーに言われた通りに実施する立場にあります。なので親への直接のアドバイスや応用が利かない事が多いのです。

私たち保護者はもちろん、トレーニングを受けたセラピストに敬意を払っております。こういった療育では、ペアレント・トレーニングも含まれるので、私たち保護者は精一杯指導に従います。そしてこちらはサービスを受ける側で、費用を払っている側でもあります。

ここが微妙な関係になるところなのです。ここをコメディドラマみたいなもんとして、私の話を寛大に聞いて頂けるとありがたいです。

去年、ボビーはとても難しい状況でした。
Saltbox_0002t
一瞬の隙にこうなってしまう状態でした。
自治体と相談して、家にABAを派遣してもらいました。

そこで最初に来た方がこの人。

Saltbox_0020_6
そうです。妊婦さんでした。
明るくて話しやすいとても良い方でした。しかし絵の通りです。多動で物を投げたりする子だってみんなわかっているのに、なぜ…。

数週間は何も言わない事にしましたが、セラピーになりませんでした。オット君とも話しました。
「これは無理と言ったら、差別になるのか?」と。

皆さんご存知の通り、アメリカは訴訟社会ですよね。もし何かがあったら、誰の責任なんだろうと思うと、冷や汗が出てきました。言葉を選び、正直に業者に話すと納得してくれました。

次に派遣されてきた方はこんな方でした。
Saltbox_0020_7
年齢は30歳前くらいかな。ナニー歴10年という方でした。しかしABAセラピストとしては始めたばかりとの事でした。普段はナニーをしながら、ABAのオフィスの事務をやっていたけれど、人手不足なのでABAになったみたいないきさつでした。ボビーみたいな子の経験があるかと聞くと、ABAとしては初めてだと。ナニーとしては少しだけ関わったことがあると。
この方のありがたいのは、どこのお母さんも夢見る
「自分の分身がいる」感です。まだお子さんはいらっしゃらないのに、私よりも子育て経験ある人でした。

実は毎日セラピストが家に来るって、正直すごいウザいんですよ。笑 

でもこの方の場合は「空気」。プロのナニーって凄いと思いました。しかしながらABAとしては…そうね。私と同レベル。分身。


その後ね。ボビーは悪化しました。学校から疲れて帰った後に更に毎日2時間のセラピーですからね。

なんなのこのアメリカのABAプレッシャー!

ABAが悪いんじゃない!そういうとこが悪いのよ!


そして入退院を繰り返した最後に、病院のツテで来た方がいました。衝撃ですよ。
ジャーン!
Saltbox_0020_5
まさかのアイドル風!
しかもブウォンブウォン言うスポーツカーで来ました。
ABA儲かるんだな…。

おいおい!と思いっきり偏見でしたが、さすが病院が勧めただけあって、腕が良いセラピストでした。直接のアドバイスもできる学士の資格の人でした。見かけによらず汚いトイレの世話も、風呂の世話も、庭で振り回して遊ぶのもやってくれました。

分析データはiPhone片手でパチパチ送るし、もう。
この人が「私がABAセラピストです。」って高校進路相談に出てきたら、男子の希望者殺到しそう!

ただですね。オット君は何となく付き合いづらそうでした。そうですよね。夕方、オッサンがスウェットパンツでゴロゴロしたい頃にやってくるんですから。笑

この方が私たちの最後のABAセラピストでした。
ボビーが兄さん好きすぎて、ブウォーン!って去った瞬間に本棚をぶった押して暴れて、病院に入院して、それで今に至る…。

それからね。もっとだいぶ前に来たセラピストの中で、ボビーと相性良かった人がこんな人。
Saltbox_0020_8
女子サッカーを本格的にやっていた人。
スペシャルニーズ教師歴20年。
バイト兼ボランティア的にABAやっているという方でした。もちろんこういう、経験豊富で隙が無いタイプの人はめちゃくちゃ上手いんですよ。さすがのボビーもディフェンス力に敵わず、従ってました。

毎日でも来て欲しい。でもこういう人はもちろん大人気です。そして人間性も素晴らしく、貧しい子たちを優先的に指導していらっしゃいました。なのでたまたまタイミングが合った時に数回指導してもらったくらいでした。

ボビーが今いる学校の先生は、こんな感じの人が多いんです。私が体を鍛えて、テンション高めなのも、そういう事!

テニスのあの人とか、重度自閉症児のモチベ上げられそう…いやホント、あのくらい強引でいいのよ。

まあこの辺の話は、のちにまたボチボチ詳しく書いていきますが、セラピストも色んな方がいます。
人間ですからね。お互い。いろんなドラマがあります。

続き



今日はボビーを学校から連れ出す日でした。まだ学校から離れたところには行けませんから、近くのファストフード店やドラッグストア、スーパーマーケットが精一杯です。

今の私立学校に移り、今、メキメキと成長しています。ボビーに必要だったのは、安定した環境とスケジュールの中、体を鍛え、グループ活動することだったというのを、痛いほど実感しています。

ABA時代にこんな感じで、学習のトレーニングされてきたのが、
Saltbox_0019_3
いよいよ花開く時が近づいたのかもしれないと思っています。嬉しいです。

そして私たち保護者も、放ったらかしているわけではありません。実際の社会は学校内みたいな状況ではありませんからね。少しずつ一般社会に慣れさせていく必要があります。


週末に連れ出すのも、そのトレーニングの一環です。
今のところは、1時間から1時間半が限界です。

今日はスーパーマーケットに連れていきました。
駐車場などでは、まだ手をつないでいますが、安全な場所ではこうやって歩きます。
Saltbox_0020_1
学校がこうトレーニングしてくれたのです。
これは手をブラブラ、ヒラヒラして落ち着かない子にとても有効です。家族みんなでやります。
ここ重要!

子供にやれと言うなら、自分もちゃんとやる!
見た目変な家族でもヨシ!

スーパーでは、ボビーに少しずつお手伝いさせました。
Saltbox_0020_2
こんな複雑なこと、1年前は全然できなかったんですよ。まだ雑だし、他人のカートに入れようとしてしまったり、難しいんですけれど、ここまでできるようになりましたよ!

でもね。まあいつもの事なんですが、ボビーはよく周りに注意されます。
突っ立っているだけなら、むしろクールなイケメンボーイだからね。
障がいが見えないんだわ。

Saltbox_0020_4
でも、通路のじゃまになってしまったりね。
そんで「エクスキューズミー!」って言われてもさ。
それで解る子じゃないじゃん?
今日なんか、修道女みたいな人に言われたよ!笑

それからオット君がレジに並んでいる時も、中年男性に、「早く詰めろよ!」みたいな事言われたらしい。
(しかも障がい者向けの車いすマーク付いたレジで!)


私たちはね。もうこういう時は、いちいち謝りもしない。「ボビー、カムヒア。」って言うだけ。

それでも食って掛かってくる人がいたら、たぶんスーパーの店員にヘルプ求めるかな。実際はそこまでいったことないけれど。

それで更にもっとトラブルになったら、アメリカの場合、警察が来るだけだから。CNNが「障害者をおどしたクソ野郎」って報道するだけだから。

自分たちが変なリスク負う必要は無い。


というわけで、こんな子を連れていると、辛いことも多いけれど、逆に言えば、「ああ、人間こんな風にはなりたくないわ~。」の例をたくさん見られるよ!

え?
そんな見た目でわからないやつ、どうしろって言うんだよ?

簡単です。
誰にでも優しければ良いのです。
そういう想定でいてください。

だから、私たちも下手に謝ったり、怒ったりしないんです。だってその人たちにもなんか事情があるかもしれないじゃん?

めんどくさい時は適当に「すんません。」言うけどね。


学校に戻ってから、ボビーは自傷行為がありました。
Saltbox_0020_3
自分の頭を殴り、膝を地面に叩きつけ、シャツはボロボロにしてしまいました。
想定外の事が起こると、まだまだこんな感じです。
私たちが一緒に暮らせない理由です。たったの1時間ちょいの外出でも想定外はたくさん起こります。

学校のスタッフがすぐに助けてくれました。
私たちだって毎日一緒に暮らしたくて、本当は苦しくて苦しくて辛いんです。
でも彼が安全に社会に慣れていくには、大変な時間、そして努力が必要となります。

社会がもっと理解を示してくれれば…
Saltbox_0020_4
…そうしたら…、

みんなにとって暮らしやすい世の中になります!


私がABAを勧めるもう一つの理由は「負け」が無い手法だというところです。

え?お前ら負けたじゃん?

と思ったあなた!

負けてはいないのよ!信じて!

もはや信じられんか…。

説明致しましょう。
なぜなら、ABAセラピーで立てられる計画は「スモールステップ」という手法に基づいているからです。

これは療育に関係なく、目標達成のためによく使われる方法です。一歩一歩、達成可能な設定をし、達成感を味わいながら、ジリジリと前に進んでいく方法です。

これはすごくいい方法で、昨日の記事にも書きましたが(ココ)、ボビーみたいな子でもDTT(Discrete Trial Training)で、学習能力を改善するのに、非常に有効でした。ボビーの通っていた公立学校が使っているシステムは、ABA界でも頂点に立つようなもので、もの凄い体系化されたものなんです。教材も「超できない子でもできるようにしたやつ」みたいなのを使ってくれていました。

これは本当にありがたかった!
おやつで釣ってでも、どうにかなんか教えてくれた!

でもね。知能検査やらせると全く反応しないか、ABCDのうち、全て「D」を選択という謎行動で検査中止になるのがボビーだからね。
定型用の検査なんかもってのほか。無理矢理数値を出すと、0.01パーセンタイルとかいう、見た事ない数字を弾き出す。


天才!
ここまで来ると、もう誇らしい。

ボビーの天才っぷりをもっと見てくれ。例えばさ。「スープを飲む」というゴールを設定するわな。そうすると、スモールステップ的には、ざっくりこんな感じになる。
Saltbox_0019_5
突然だが、ディズニーチャンネルに、
「きんきゅうしゅつどう隊 OSO」ってのあるのを観た事ある方いらっしゃいますかね?幼稚園向けのですが、これが正にスモールステップ法です。
丁度この図の感じの事を、1,2,3ステップで可愛いキャラクターとクリアしていくというストーリー。

これおススメ!
ボビーも何気に観てました。

でも彼にはこのステップは大きすぎるんです。
だってまず「スープを飲む」モチベーションがゼロだから。そして「スープをグロだと思っているフシがある。もちろん、不器用で液体をスプーンですくって飲むなんてのはできない。どころかスプーンを持たせると逆さまに持つ。持たせるのも一苦労。無理やり持たせると投げる。というかテーブルに近づかない。
つまり…まずはステップ1「テーブルにつく」。


よっしゃ。これでどうだ。
Saltbox_0019_6
やべえ。もう不可能しか見えねえ!
Saltbox_0019_7
いや待って先生。
レベル低すぎねーか?
え?では「立ち上がる」からやる?
Saltbox_0019_8

先生!おやつを見てくれません!

するとABAセラピスト。
Saltbox_0018_7

そんで、「おやつを見る」がようやくできたら、

「ほら!私たちの指導のおかげで、ボビー君成長したじゃないですか!お母さん、グッジョブ!」

とか言われるんですよ。

トラウマ。

もう怒りをぶつけるとこさえない。
また笑えるのが、私が普通にハイテンションかつ、やや厳しめのトーンで、

Saltbox_0018_8
ってやると、一発で立ちあがるんだな。笑

でも素人の保護者がこれを言っても、ほとんどのセラピストって無視するのよ。今のボビーの学校は違うけど。

なんで?なんでその子の事を一番知ってる親を無視する?

ABAに限らずな。私の経験ではスピーチの先生も割と無視してくる。OTは逆に解かってくれる人多し。もしかしたら、ボビーみたいな子の感覚の問題を理解しているからかも。

だからね。

セラピーの理論の問題というよりも、その子に合わせた方法をフレキシブルに考えてくれるセラピストかどうかなのよ。

それからね。もし対象となる子が、「きんきゅう出動隊OSO」のステップをできるレベルだとしたら、この「負け」が無いスモールステップ法&ABAは最強じゃないですか?

というわけで、私はこれでもABAをおススメするのです。

お子さんがまだ幼くて、一体どうなるんだろう、なんの療育が良いんだろう…と考えている方の参考になれましたでしょうか?


セラピストは、ノリが良くて、思わず子供が真似してしまうような人がいいですよ!

続き


お気軽にコメントください。
怖い人では無いです!


昨日、「ABAセラピーはやった方がいい」という記事を書きました。

繰り返しになりますが、おさらいしましょう。
アメリカで発達障害療育と言うとまず誰もがABAセラピーの事を指します。

Saltbox_0019_1
ざっくり言うと、行動の前後関係を分析し、
Saltbox_0019_2
先行条件や行動によって得られる結果を変えることにより、行動を修正していくというセラピーの事です。
私は専門家では無いので、このブログでは専門的な内容は書きません。というか書けません。大学や大学院で、これを学んだような人でも、ズバリ言えるには、長い経験がいるような分野です。

ただ私は保護者として、7年間ABAセラピストを見ながら、自身もある程度ペアレント・トレーニングを受けていますので、いい感じに外側からこのセラピーの良いとこ悪いとこを語れる位置にいます。

もしかしたら昨日の記事を読んで、

うわあああああ!
3歳までに週40時間のABAセラピーをやらないと手遅れになるのかああああ!

と焦った方がいらっしゃったかもしれません。

心配しないで下さい。

実はそこがABAの問題点であるのです。具体的な話は別記事で書きますが、ABAの技法を生んだUCLAのロヴァース博士が1987年に書いた論文がそういう内容だったのを、いまだに広告に使っているABA関係者が多いんです。「自閉症の症状が小学校に入る頃には消えた!」みたいな。

これは真に受けない方がいいです。

その後、実験方法とデータが他の科学者にも検証され、その論文の正確性はあまりないと言われています。私自身も直接その論文を読みましたが、最初の1ページにすでにツッコミどころ満載でした。サンプルがランダムでないからね。あれ。

近年の研究では、そこそこ年齢が上がってからでも、発達障害の伸びしろは結構あるというのが実証されていますので、どうか焦り過ぎないでください。でも早期に始めた方が圧倒的に良いのは確かです。

そしてこれが事実。
ボビーは現在、ABAセラピーでない学校にいます。なぜならABAの効果が薄かったからです。

うわあああああ!ABAなんて大嫌いだあああああああ!
あんなに時間も労力も家計も割いて頑張ったのに~!


ではなぜABAを勧めるのか。
Saltbox_0018_6
図:幼稚園の時から同じ支援を受けている子の5年生時のレベルの違い

この表の右側にいる子の場合は、めちゃくちゃ効果あるケースが多いからです。(この違いに関する記事はココ

エリック君には凄い効果あったんだよ!
Saltbox_0018_5
本当に幼稚園の時に全然言葉出て無かった子が、今普通クラスにいるんだよ!

そして、ボビーにABAが無効だったわけではありません。ABAの手法でトレーニングを続けた事によって得られたものはたくさんあります。

例えば良い例はね。DTT(Discrete Trial Training)。
ABAセラピストが、1対1で座ってトレーニングするというものです。こういうやつ。
Saltbox_0019_3
これだったら、普通の特別支援クラスも同じだよ!って思う方もいると思いますが、違いはめちゃくちゃデータ分析するところです。

アメリカらしいでしょ?
ABAがプロスポーツなんかにも応用される理由です。

私たちが渡米した2012年では、先生はノートにデータをメモしていましたが、ここ最近はタブレットやスマホのアプリで記入しています。そしてそのデータが、この道の博士号があるような人達に分析され、次のプログラムが計画されるのだ…。

未来だ。ここは。

しかし、全米のどこもがこういう状態ではありません。
私が住んでいるのは、マサチューセッツ州です。

そう!あのアナウンサーも舌を噛む州!

ハーバードやMITを始め、超有名大学と病院がひしめく地!当然ですが、自閉症学校、研究機関も一流揃いです。公立学校の指導もそういうところと連帯していたりします。

その恩恵を受けているボビー。
そしてその最先端ABAを泣かせたボビー!

そんな伝説野郎なのです。

でもね。DTTは良かったです。これは今の学校では逆にできない技術かな。言ってみれば、超集中データ分析公文みたいなもんだから。知識詰め込んでくれたとは思う。

全く出てこないけど!

それからね。家庭ではこういうのをサッとやってくれるのは助かったかな。

例えばボビーは、暇になると突然に家の中の物を投げつけるという問題があったのね。こういう時に、ABAはソワソワしている段階で、
Saltbox_0019_4
ってやってくれるわけよ。
要するに、テレビのリモコンをテレビに投げつけて破壊する代わりに、これだったらオッケーというのに置き換えてくれる。

でもじゃあこれが習慣になったかというと、

ならなかった。

テレビ何台も破壊された。
セラピスト帰った瞬間とか。笑


分析が間違っていたのかもしれない。投げる理由が、「つまらないから」「アテンションを得たいから」だったからかもしれない。

すると、また新しい対策を先生と一緒に考えるの。
Saltbox_0019_2
これをベースに。
この繰り返し…そう…この繰り返し…。

皆さんにも見えてきましたでしょうか?
Saltbox_0018_6
言葉で教えられない。
理屈が通用しない。
感覚や筋力の問題が多い。

このタイプにとってはちょっと長すぎる道のりなんです。

どうして長すぎるのか…それは明日書きます。
この記事も長くなっちゃったから。

続き


↑このページのトップヘ